前項では、ゴム系粘着剤タイプの両面テープと、溶剤には灯油をお勧めしました。
これ以外の部材を使った場合、乾燥が早く、滑りが悪いため、大変苦労なさるでしょう。シャフトエンドまでしっかり挿すために、ラバーをぐいぐい引っ張りながら悪戦苦闘する姿が想像されます。力の入れ具合によって太くなったり細くなったりするため、仕上がりは運任せになります(苦笑)。
また、装着直後にグリップの向きをチェックしますが、上記の条件ではこれも困難です。ドライバー1本ならまだしも、アイアンセットの場合、番手によって太さや向きがバラバラだったら、好スコアーは望めません。
何ら苦労なく、するりと装着すること。これがグリップ交換の絶対条件です。
さて、これまで記した記事はグリップ交換における基本中の基本です。残念ながら、それさえ知らない方々が多いため、また、ネット上にグリップ交換のテクニックが書かれていますがどれも不十分に感じたため、あえてアドバイスさせていただきました。
前項に引き続きご説明します。
その2:ゴム系粘着剤の両面テープを用意すること
アクリル系粘着剤を使用した両面テープよりも、肉厚のゴム系粘着剤タイプをお勧めします。アクリル系はすべりが悪く失敗しやすいからです。
一つのテクニックとして、グリップを細く仕上げるためにアクリル系を使うこともありますが、その場合は溶剤をたっぷり使い、細心の注意をはらって取り付けます。
その3:市販のグリップ交換液(エアゾール)を使わないこと
溶剤には、ズバリ「灯油」をお勧めします。安いのでたくさん使っても懐は痛みません。ガソリンを使う業者もありますが、私は大反対です。灯油と比べるとガソリンは引火しやすくはるかに危険です。
エアゾールの交換液は揮発性が高いため、取り付けの途中で乾いてしまいシャフトエンドまでグリップが刺さらない場合があります。それに対して灯油とゴム系粘着剤の両面テープは相性が良く、するりと取り付けができます。
ちょっと厳しい意見ですが、、、
お客様が自分でグリップ交換をしたクラブの中で及第点を出せる物を見たことがありません。その理由は、皆様が基本的なセオリーをご存じないからです。
グリップ交換において絶対守らなければならない点が3つあります。
その1:装着するシャフトにあったグリップを用意すること
その2:ゴム系粘着剤の両面テープを用意すること
その3:市販のグリップ交換液(エアゾール)を使わないこと
上記の3点を守ることで、相当にレベルUPします。
では、具体的にご説明します。
その1:装着するシャフトにあったグリップを用意すること
現在装着しているグリップと全く同じ物が用意できるとベストです。太く仕上げるには下巻きテープで加減すればよいので簡単です。
別のグリップをはめる場合は厄介です。同じ内径のグリップでも、それぞれ仕上がりの太さが変わります。経験豊かな専門家ならば仕上がり具合が予測出来ますが、お客様には不可能だと思います。
まずは1本だけ仕上げて、オリジナルと比べて下さい。その具合によって、下巻きテープの加減や別の内径のグリップに替えることをご検討ください。
グリップに使われているゴムは空気中のオゾンで自然に劣化します。そして、表面が硬化することにより、ツルツルすべるようになります。この状態ではしっかり握ることが出来ないのでナイスショットは望めません。根本的な解決方法はグリップを交換以外ありません。しかし、交換する時間がない場合、とっておきの応急処置があります。下記の方法をお試しください。
1)角材に150番ぐらいのサンドペーパーを画鋲で止めます。

2)硬化してしまったゴムの表面を薄皮一枚剥ぐようにグリップ全面を研磨します。

3)薄く、満遍なく研磨したら次は表面を洗います。グリップエンドを下にして、水をかけます。石鹸をつけた洗濯ブラシかタワシでゴムのかすを落とします。
4)仕上げに水で石鹸を流し、タオルで水気をふき取ります。タオルでごしごしふき取る事は避けてください。
これで相当感触が良くなります。ただし、最初に申し上げたとおりあくまでも応急処置なので、早急にグリップを交換してくださいね。